「 この前、能を見に行った。」ヘツヒェンが急に喋り出したの。いつもの迷惑な癖よ。
「確かに能は難しかったが、『蝸牛(けんぎゅう)』という狂言があって、狂言の面白さを再認識した。
確か、こんな話だった。親の長寿の薬にカタツムリを探すようにい言われた太郎冠者だが、カタツムリを知らない。
竹薮で寝ていた山伏をカタツムリと勘違いする。
山伏が太郎冠者をからかう話で、
『雨も 風も 吹かぬに、出ざ 釜 打ち割ろう、でんでん むしむし でんでん むしむし』
と囃し立てるのが抜群に面白かった。
今度は、本格的な能舞台で見たいもんだ。」
まあ、エスカルゴの大蒜バター風味が...と、言い始めるより、進歩したと解すべきかもね!