道端で木苺が白い花を風に揺らせていたノ。木苺と言えば、ここに引越す前にこんなことがあったワ。
その家は、東側の部屋が陽当たりがいいので居間として使ってたノ。
でも夏になると日差しが強いので、日除け代わりにヘルヒェンが木苺を窓のそばに植えたワ。
その木苺、次々に芽を出して殖えたノ。気をよくしたヘルヒェン、その根元に山芋を植えて木苺に絡ませたワ。
夏には木苺と山芋の葉で丁度、葦簀(ヨシズ)の様にになったノ。
「春には木苺の花を愛で、木苺の実を食す。夏はヨシズとなり、秋には零余子(ムカゴ)が採れる。
2、3年したら土の中で山芋が大きくなっているだろう。これは一石二鳥、否、二木三果。満足!満足!」ヘルヒェンが私に自慢したワ。
その翌日、ヘルヒェンが会社から帰ると、思わぬ事態になっていたノ。 <次回に続く>