沈丁花の香りに心を奪われていると、ヘルヒェエンが急に話を始めた。
「足の裏が凝ったような、充血している様な気になったことはないか。青竹踏みをしたくなることはないか。
土踏まずを押して気持ちがいいことはないか。そんな時の処置法を昨日発見した。
朝、目が覚めたら、布団の中で、足を、ちょうどジャンケンでグーをするような形に、
足の裏の血を絞り出すような気持ちで、握るようにするのだ。
これを2、3回繰り返すと、足のこりがとれて、軽やかな感じになる。おまえもやってみろ。気持ちがいいぞ。」
また、訳の分からないことを言い始めたワ。肩凝りは、二本足の人間の宿命なのヨ。
四本足の犬には、肩凝りも足のこりも関係ないワ。
詰まらないことを言わずに、散歩に専念しないと、中年のお腹が引っ込まないワヨ。