「ア!、クワガタがいた。」ヘルヒェンが大きな声を出しながら、櫟(クヌギ)の幹に手を伸ばしたワ。
「クワガタの捕り方を知ってるか? 先ず、静かに櫟の木に近づき、手で捕まえられるクワガタをそっと捕る。
次に木を一蹴りする。すると上の方にいたクワガタがバラバラと落ちてくる。
草の間に落ちて見つからない場合は、そのまま暫く待つ。その内、ゴソゴソと動き出してくるので、草をかき分けて拾うのだ。」
全くつまらぬ事を自慢するヘルヒェンだワ。
それにしても、クワガタにとっては迷惑な話ネ。
まあヘルヒェンは、写真を撮れば満足してクワガタを放すから良いケド。
しかし、気に掛かるのは、櫟林の脇の舗装道路を真夏に散歩すると、無惨に車に轢かれたカブトムシの死骸が多いことダワ。
街路灯に飛んで来て、道路に落ち歩いていて、或いは道路に逆さに落ちて起きあがろうともがいている間に、車に轢かれるのネ。
人間の身勝手で、道路を舗装していることが、自然破壊になっていることを知っているのだろうかシラ。