散歩の楽しみは匂いを嗅いで想像を巡らし、更に自分の匂い付けを行うことヨ。
不思議なことにヘルヒェンは、否、人間達は「この花の香りがいい」等と言って、匂いで現在の情報を得るだけナノ。
匂いは、過去の情報を与えてくれることを知らないようネ。
散歩道の匂いを嗅ぎ、誰が(どの犬が)?、いつ頃?、
ここを通り、その時の状況は?、彼或いは彼女の体調と匂い付けのメッセージは?
これが散歩の醍醐味ヨ。人間達は単にその辺の景色を見るだけで通り過ぎてしまうノ。
何か道端で見つけると写真を撮ってニヤニヤするヘルヒェンは、
ビジュアルな世界にのみ生きる哀れな生物なのかもしれない。
まあ、香りのよい花が道端に咲いていれば、この世はハッピーとして、
哀れな人間のことをあれこれ詮索せずに、今日も忠犬らしく素直に散歩のお供をしてあげようネ。